アイバンクQ&A
Q:角膜移植とはどんな手術ですか?
A:眼の黒目(角膜)はもともと透明ですが、ここに潰瘍ができたり怪我をしたりしますと、治っても濁りが残り、ひどいと真っ白な混濁になります(角膜白斑)。その結果、眼の中へ光が入りにくくなって見えにくくなります。また角膜の中央部が円錐状に尖ってくる病気(円錐角膜)が進行すると、やはり視力が低下してきます。このような障害のある角膜の中央の部分を図のようにボタン型(円形)に切り抜いて、そこへ亡くなった方の透明な角膜を植えつける手術が角膜移植です。これによって眼の中へ再び光が正しく入るようになり、見えるようになります。そのほか、角膜の潰瘍がひどくなって角膜に穴があきそうになり失明寸前の場合にも、角膜移植が緊急手術として行われることもあります。
角膜移植で視力が回復できるのは、視力低下の原因が角膜の濁りだけによるもので、カメラで言うとフィルムにあたる眼底や眼の神経(視神経)などに障害があまりないことが条件となります。しかし白内障は合併していても角膜移植の手術の時に一緒に手術したり、移植後に手術することもできるので問題にはなりません。また、最近は同時に眼内レンズを挿入することもできます。
Q:登録に制限はありますか? 高齢者からの献眼も角膜移植に使用できますか?
A:登録の際の制限はありません。また、年齢も何歳でも構いません。角膜移植に使用できるかどうかは角膜の状態によって判断され、それには個人差があるため、一概に年齢だけでは判断できません。これまでにも、90歳を超える方から提供された角膜によって光を取り戻された方が数多くいらっしゃいますので、年齢について気にすることは無いと思われます。
また、近眼や乱視、老眼や白内障でも角膜がきれいであれば移植に利用できます。血液型も関係ありません。
ただし、以下の方の角膜は医学的に使用できないことになっております。
・肝炎やMRSA等の感染症により罹患された方
・白血病、悪性リンパ腫により亡くなられた方
・死因不明で亡くなられた方
・頭頸部の悪性腫瘍により亡くなられた方
・全身性の活動性感染症により亡くなられた方
・重症急性呼吸器症候群により亡くなられた方
Q:生前に登録していなくても献眼は出来ますか?
A:生前に登録されていなくても、遺言があったり、ご遺族の意志によって献眼することができます。また、本人の意志が不明の場合でも、ご遺族からの書面での承諾があれば献眼できます。
しかしその一方で、生前に本人が献眼を希望していても、ご遺族が承諾しない場合は献眼には至りません。ご家族でよく相談なさって登録してください。
Q:「臓器提供意思表示カード」で、眼球に○をつければアイバンクに登録されるのですか?
A:角膜提供の意思表示だけになりますので、角膜提供を希望される場合は、お手数でも「アイバンク」への連絡が必要となります。
Q:臓器移植法と角膜移植について
A:下記の条件を満たせば、親族(配偶者・親子間のみ)への優先提供が可能となりました。
・親族が移植希望者として病院に登録していること。
・医学的な条件(適合条件)を満たしていること。
Q:献眼に対してお悔やみ金は出していないのか?
A:献眼は善意に基づく無償の提供ですので謝礼は出ませんが、光を失った方々に、その尊い角膜の提供を申し出てくださった方々に対する弔慰の気持ちとして、岩手医大眼球銀行より一万円の香典を用意させていただいております。
また、献眼物故者のその尊い行いに対し、岩手医大眼球銀行総裁と厚生労働大臣よりそれぞれ感謝状が送られております。
Q:目にレーザー治療を行いましたが、献眼できますか?
A:献眼可能です。